タイ族初の統一国家、スコータイ王朝(1238〜1438年)
13世紀の初頭になると、ラナ、パヤオ、スコータイの各地域に小都市国家を建設しました。そして強大な勢力を誇っていたクメール帝国が衰退してきた1238年に遂にスコータイを攻略します。
ここに歴史上初となるタイ族の統一国家スコータイ王朝が誕生します。スコータイはサンスクリット語で『幸福の曙』を意味します。
第3代のランカムヘンが国王になると国力は飛躍的に増大し、領土も現在のタイとほぼ同等にまで拡大しました。彼の功績はタイの歴史を語る上で非常に重要な意味を持っているのです。
クメール文字を改良しタイ文字を作り出し、スリランカから小乗仏教を取り入れ国教に制定し、さらに彫刻、建築、文学など初期のタイ芸術様式も彼の在任中に確立されるなど、内政、文化面で多大な功績を残しました。
しかしスコータイ王朝の繁栄は長く続かず、ランカムヘン国王の死と共に急速に衰退していきました。