タイ族の国家形成まで
現在のタイの地にタイ族が国家を建設したのは13世紀にはいってからのことです。タイ人のルーツは中国南部にあるとされますが、紀元前後にこの地に住んでいたモン、クメール、タイなど様々な部族が漢民族の進出に押し出される形で現在のラオス、タイに移動しました。学説によっては1000年かけて現在のタイの地に辿り着いたとされています。5〜6世紀には『チャオ』と呼ばれる首長のもと、森を開発し農耕技術が革新します。9世紀になるとモン族の国家が繁栄し、タイ族は10世紀頃にラオス全域と北タイに展開するようになります。
11世紀にはあのアンコールワットで有名なクメール族のアンコール王朝が台頭し、この地域の大部分を制します。この頃、ミャンマー南部にハンタワティ王国、南部タイからマラヤ地域にはシュリーヴィジャヤ王国、東にベトナムの王朝、ベトナム中部・南部にチャンパ王国、チャオプラヤー川流域西にはドラバラディ王国が支配。チャンパ王国の碑文にはタイ族を指す『シャム』という呼称も刻まれています。